ノンフィクションにご注意を
パタンとドアを閉めて一緒に歩き出すオレを、溝渕は不思議なものでも見るかの様な眼差しで見つめている。


「ご飯出来たらちゃんと呼ぶから、部屋にいても大丈夫だよ?」


「……ちょっとあっちでやらなきゃいけない事があるんだ」


「?フーン。とりあえず私は、頑張っておいしいご飯作りますね!」


「………期待しとく」


無邪気に張り切っている溝渕に対して、微妙に素っ気ない態度をとってしまった。


本当はお前の香りや気配が残るあの部屋に1人でいる事が出来なかった…と言ったら、コイツはどう思うんだろう。


ムリだ、そんなのムリムリ。
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