ノンフィクションにご注意を
さっさと部屋に戻って来たのは晩飯後、溝渕が風呂に入ったからだ。


自分が一番風呂だなんて…と遠慮していた溝渕だったけど、親父に説得されて只今入浴中。


風呂上りで頬赤くして髪を濡らした溝渕なんて見たら、今日の我慢バロメーターが上限振り切れる可能性がある。


「こんなんでちゃんと兄妹になれるのかよ、オレ……」


オレの情けない呟きを聞いたのは、顔面を押しつけていた枕だけだった。


大丈夫…まだ同居初日だ。


親父達が入籍する頃には色々慣れて、色々忘れられているハズだ………きっと。


「オイ礼於、お前大丈夫かーーーっ?」
< 111 / 314 >

この作品をシェア

pagetop