ノンフィクションにご注意を
背後から芙美さんから溝渕の名前を出されて、少しドキッとした。


昨日あんな事があったなんて、芙美さんには言えない。


「―――分かりました。2人共、楽しんで来て」


オレは短く深呼吸してから、精一杯の笑顔で親父と芙美さんに振り向いた。


2人は別に疑問を抱いたりしなかったのか、オレと溝渕にお土産を買って来ると約束して、家を出る。


「…ハァ……」


顔を洗ってからまたリビングに戻って来た直後、ソファーに倒れ込んだ。


バレてないよな?昨日の事。


バレてないならそれでいい。2人にはデートを心から楽しんできて貰いたい。
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