ノンフィクションにご注意を
それは3日前クラスの女子に溝渕を侮辱されてから、ずっと封印の鎖から逃れ様ともがいていた気持ちだった。


いや…本当は溝渕を諦めると決めた時から、鎖を巻きつけるオレ自身に“嫌だ”と叫んでいたのかもしれない。


鎖にピシッとヒビが入り、完全に壊れた瞬間、オレの足は動き出す。


そうして戸惑う溝渕をここまで連れて来たワケだが……溝渕はまだ状況が理解出来てない様子。


「あの許斐君…黙りされても困るんだけど……何にも用事が無いなら私戻…ワァッ!?」


オレは両手を広げて、思いっきり溝渕を抱きしめた。


「こっ、こここ許斐君っ!?」
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