ノンフィクションにご注意を
「そう…だよね。やっぱりダメだよね……お母さんと本当のお父さんが別れてからはこういう時、1人で布団にくるまるしかなかったから……許斐君がいるならって私、甘えてた」


「あっ………」


溝渕の言葉に、オレの心に一本の針が刺さった様な感覚がした。


分かる。溝渕の気持ち。


オレも本当の母さんが死んでからは、学校で嫌な事があっても親父には言いにくくて…親父が仕事でいない1人の間、まるで世界に自分しかいない気になった事もある。


知早とか時雨とか学校の友達じゃなく家で誰かと時間を共有出来る機会が増えたら…って、何度も考えていた。
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