ノンフィクションにご注意を
許斐君の頭が私の左の肩付近に押しつけられて、サラサラの黒髪のドアップにまた心臓が高鳴った。


ダメだ…逃げてちゃ。


あまりにも急に自覚したから、どう対処していいか分からずパニックになっちゃったけど――――…ここで誤魔化したら、私はまたこの人を傷つける。


そんなの……絶対嫌。


私はこの人には、ずっと笑っていて貰いたい。


出来る事なら…私の隣で。


「許斐君……勘違いじゃないよ。私も……許斐君の事が好き…"男の子"として」


勇気を振り絞って自分の気持ちを伝えると、許斐君が勢い良く顔を上げて私の顔を凝視した。
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