ノンフィクションにご注意を
いきなり抱きしめられて、自分の口から乙女にあるまじき声が飛び出す。


私と比べたら大分硬い胸板に上半身を押しつけられて再びパニックになっていると、感慨深そうな声が耳に届いた。


「当っ…たり前だろう……!?オレがどんだけこの時を待ち望んだと思ってんだよ……!!」


声からも、まだ私を抱きしめている力強い腕からも、許斐君の歓喜のオーラをひしひしと感じた。


許斐君…こんなに私と両想いになるの、望んでくれてたの…?


「たった今から溝渕はオレの彼女で、オレは溝渕の彼氏だから。それでいいんだよな?」


「う、うん……そうだね」
< 298 / 314 >

この作品をシェア

pagetop