ノンフィクションにご注意を
お母さんが若干頬を赤く染めて放った言葉に、私の箸を持つ手が止まった。


「会って貰いたい人って……もしかして巌《いわお》さん?」


「ええ、そうよ」


「マジで!?ホントにっ!?」


食事中にはしたないというのも忘れて、大声で叫んだ。


巌さんとは、今お母さんがおつき合いしている男性の事。


2年前に趣味の美術館巡りをしている時に出会って、告白されたんだって。


以来お母さんからは時々巌さんの話を聞いていたんだけど、私は今まで一度も会った事が無い所か、写真すら見た事が無かったの。


その巌さんと、とうとう会える。
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