ノンフィクションにご注意を

驚いて目を見開く私を見て、許斐君も目を真ん丸にする。


「溝渕！？なんで……」


「えっ、いや、なんでって言われても………」


なんで許斐君が、ここにいるの！？


状況が理解出来ずにパニックに陥っていると、「ゴホン」という咳払いが室内に響いた。


咳払いしたのは巌さんで、彼はスタスタと許斐君の隣へ。


「摩友子ちゃん。私も君のお母さんと同じく、過去に婚姻歴があるのは知ってるよね？」


「へっ？ハ、ハイ。お母さんから聞いてます…前に結婚していたけど、奥さんは事故で亡くなったって」


そう。実は巌さんもバツイチなんだ。