ノンフィクションにご注意を
ジッと俯く許斐君を見てハラハラしていると、次に声を発したのはお母さんだった。


「礼於君。お父さんはアナタが嫌いとかどうでもいいとか、そういう理由で黙っていたワケじゃないの。ただ私達もお互いの子が同じ学校だったって判明した時はどうしようってなったわ。何せ両方共相手にも子がいる事すら、我が子に言ってなかったからね……」


申し訳なさそうに語るお母さんと許斐君の目線が、テーブル越しにぶつかる。


「摩友子と礼於君が動揺してギクシャクしない様2人で話し合って、言わなきゃいけなくなるまで黙っとこうと決めたの。だけど私達間違っていたわね」
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