ノンフィクションにご注意を
モゴモゴ口ごもる暁深に、不思議そうな表情のらら。


私はそんな2人に気づく事無く、マンガに夢中になっていた。


そして――――…初めて巌さんと対面してから1週間後にあたる日曜日。


「フーーー…やっと全部運び終わったぞ……」


私とお母さんは話し合った通り、巌さんと許斐君が住むマンションに越して来た。


実はこれは本格的な引っ越しではなく、あくまで入籍するまでの期間限定のお試し同居。


だから私達の前の家には冷蔵庫やテレビ等の家具がそのまま置いてあって、私とお母さんが持って来たのは洋服や本等、比較的軽いものばっかりだ。
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