ふうこさんと見えない夏目くん
「あの、私を呼んだのってさっきのこと、だよね?」

「……そうだよ、急に逃げるから、話もできなくて」

「は、話とは」


しかめっ面の彼に完全にびびってしまう私。


「俺、幽霊見えるって言ったら信じる?」

「……ん?」


今日、3度目の衝撃。
初対面の彼から、突然のカミングアウト。


「逢沢さん、夏目と仲良かった?」

「夏目って、」

「事故にあった夏目」

「ううん、顔知らないし話したこともない」


それを聞くとそうか、と大きく彼がため息をついた。
え、何。これどういう状況。
思わぬ展開に変な汗をかいてしまう。


「いま、ここに、夏目が居るんだけど」


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