ふうこさんと見えない夏目くん
4度目の衝撃は、驚きすぎて声も出なかった。
あからさまに顔をきょろきょろさせることは出来ないので、視線だけで周りを見渡したけれど、人影はどこにもない。

というか、


「夏目くん、事故にあったんじゃないの……?」


死んだという表現を使うのは、抵抗があった。


「そう、そうなんだけど、成仏しないでここにいるの。今」

「まじで?」

「まじ。見えないと思うけど」


ええ見えませんとも。
おばけの類は得意でないので、いくら隣のクラスの人がいるとしても正直ちょっと嫌だ。

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