ふうこさんと見えない夏目くん
「じゃあ、今日はもう日が暮れるしこれくらいで佐々木に体を返すよ。何かあったら佐々木に聞いてね」

「そっか、色々話してくれてありがとう」


どうやって戻るんだろうな、と思っていたら、今度はうなだれることなく眉間にシワがよった。
それで何となく、"今"は佐々木くんなのかなと感じ取った。


「佐々木、くん?」

「……おう、よく分かるな」


当たったので内心ちょっとガッツポーズ。
よく見てれば二人の見分けはできるかもしれない。


「それでどうするの、お前」

「どうするって?え、帰るよ」

「ちげーよ、そうじゃなくて、お願い引き受けるのかって」


あ、そっち。
機嫌が悪そうな口調に、急に佐々木くんの顔が見れなくなる。
佐々木くんと話すのはまだ慣れない。


「引き受けるも何も、見てたでしょ、さっきまでのやり取り」

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