ふうこさんと見えない夏目くん
「別のとこ行こっかー」


いつも通り、中庭の木陰のベンチを狙っていたが、今日は先約がいた。
仕方が無いので、移動することに。

いつも中庭で食べている私達は、他に宛がなかったので、大人しく教室に戻ってきた。


「あ、ふうこー」


教室に入るとすぐに、入口の近くで固まってご飯を食べていた女の子が私に声をかけた。


「なにーどうしたの?」

「さっき男の子が訪ねてきたよ」

「え?」

「確かねー1組の子だった」


佐々木くん?


「そっか、ありがとう」


私を訪ねてくるのは佐々木くんくらいしか考えられない。
お昼まだだし、確かめるのはまぁ後でいいだろう。


さやちんの席に向かい合わせに座り、お弁当を広げてから携帯をチェック。
するとやはり、佐々木くんから連絡が入っていた。

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