ふうこさんと見えない夏目くん

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さやちんとたまに駅まで一緒に帰ったりもするが、私達は基本的に約束がなければ各自別々に帰る。
今日は約束をしていないから、気にせずごみ捨て場へと向かえた。


「どーもぉ」


ごみ捨て場には既に佐々木くんが居て、どこから持ってきたのかボロっちい椅子に腰掛けていた。


「おう」


私の目線が椅子に釘付けなのがバレたのか、佐々木くんが椅子の説明をしてくれた。


「あっちにまとめて置いてあったのをぱくってきた、お前のもある」


佐々木くんはたちあがり、椅子を持って私に手招きをした。


「こっち」


よく分からないまま佐々木くんについて行くと、案内されたのはごみ捨て場の横にあった大きな倉庫の裏。

大きな倉庫と、それよりも小さめの倉庫がL字に並べられており、私たちが入ってきたところはボロボロの机や椅子が積み重ねられていた。


「夏目が数日様子を見ててくれたんだけど、ここ誰も来ないんだと」


佐々木君が椅子を置いた横には、少し離れてわりかし綺麗な椅子が置いてあった。
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