ふうこさんと見えない夏目くん
「そういえば、夏目くんは?」

「ここに」


ここ、と丸を書いたのは佐々木くんが手をめいっぱい伸ばしたあたり。

居たのか夏目くん。


「挨拶が遅れました、こんにちは夏目くん」

「夏目も、こんにちは、だって」

「通訳だね佐々木くん」


ふふふ、と笑みが零れる。
佐々木くんは何故か、ムッとしてしまった。


「俺、ずっとこーやって話すんじゃん」

「私見えないもーん」


見えれば、せめて聞こえれば私だって自分で夏目くんとお話をする。
それか、夏目くんが佐々木くんの体を借りる、か?


「ねぇ、そういえば佐々木くんの体を貸してる時って、佐々木くんどうなってるの?」
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