ふうこさんと見えない夏目くん
少しふらついたあと、佐々木くんの体が伸びをする。
「さっきぶり、逢沢さん」
「こんばんは夏目くん」
挨拶をすると、にこっと笑顔を向けてくれる。
えらい違いだ。佐々木くんと。
そんな夏目くんが私に近づいてきて、ビニール袋の中を一緒にのぞき込んだ。
「どうしてもやってみたいことあったんだよねぇ」
中から取り出したのは線香花火。
「花火今年まだやってなかったんだ。これ昨日佐々木に頼んどいたんだけど、ライター忘れちゃってさ、佐々木ライター買ってきたかな?」
「あ、ライター買ってたよ!」
なるほど、ライターはその為か。
「大きい袋で何個か買ってきてもらってたんだけど、隠そうにもバレそうだったからさ、中身だけ取り出してビニール袋にぶち込んでたの」
「はあ、それで中身だけなんだ」
「そそ。そしてこれ、全部やるよー!」
「はあ?!」
悠に100本はありそうな花火たちを前に、空いた口が塞がらない。
「まあ余ったらあの倉庫裏で地道に消費しましょ」
「夏目くん、それはさすがに、」
……まずいのでは?
そう思ったけど、夏目くんの楽しそうな、悪いことを考えてる顔を、好きだなあ、と思ってしまって言えなかった。
「さっきぶり、逢沢さん」
「こんばんは夏目くん」
挨拶をすると、にこっと笑顔を向けてくれる。
えらい違いだ。佐々木くんと。
そんな夏目くんが私に近づいてきて、ビニール袋の中を一緒にのぞき込んだ。
「どうしてもやってみたいことあったんだよねぇ」
中から取り出したのは線香花火。
「花火今年まだやってなかったんだ。これ昨日佐々木に頼んどいたんだけど、ライター忘れちゃってさ、佐々木ライター買ってきたかな?」
「あ、ライター買ってたよ!」
なるほど、ライターはその為か。
「大きい袋で何個か買ってきてもらってたんだけど、隠そうにもバレそうだったからさ、中身だけ取り出してビニール袋にぶち込んでたの」
「はあ、それで中身だけなんだ」
「そそ。そしてこれ、全部やるよー!」
「はあ?!」
悠に100本はありそうな花火たちを前に、空いた口が塞がらない。
「まあ余ったらあの倉庫裏で地道に消費しましょ」
「夏目くん、それはさすがに、」
……まずいのでは?
そう思ったけど、夏目くんの楽しそうな、悪いことを考えてる顔を、好きだなあ、と思ってしまって言えなかった。