ふうこさんと見えない夏目くん
「とりあえず、線香花火とすすき花火は山ほどあるから、それ以外のやつからやっちゃおー。逢沢さん好きなの選んでいいよ」
袋を逆さまにし、ばらばらと花火を地面に落とす夏目くん。
「まあいうて、大したもん入ってないけどねこういうの」
「確かにー、8割は線香とすすきだもんね」
がさがさと花火の山を漁る夏目くんを見て、私も一緒に山を崩す。
ねずみ花火、ちっちゃい打ち上げ花火、さすがにこれはバレちゃいそうだからパスだなあ。
「んんー、あ、これ何?見たことない」
ふと目にとまったのは、花火の先に金魚のモチーフがついた赤い花火。
「ああ金魚花火、いいじゃん最初はそれいく?」
「ん、これにします」
金魚花火とやらは2本あって、同時に火をつける事に。
そして、最初に火をつけるのに体を借りてちゃ申し訳ないからと、夏目くんは一度佐々木くんに体を返すようだ。