ふうこさんと見えない夏目くん
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消えた金魚花火を回収するために、突然プールに飛び込んだ夏目くん。

体がびしょ濡れなことに怒る佐々木くん。

消費できそうにない花火に、何本もまとめて火をつける夏目くん。

真似しようとする私を必死に止める佐々木くん。


佐々木くんは夏目くんに体を何度も貸したことにより、疲れているようだったが、でもちゃんと楽しんでいるようだった。
夏目くんも始終佐々木くんの体で笑っていたし、今日ここに来てよかったと思った。

夏目くんはもう居ないのに、ここに居て、
見えないのに一緒に笑って、
切ないようななんとも言えない感情が生まれてしまったけれど、夏目くんが楽しむために、協力してあげようと強く思う。



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