ふうこさんと見えない夏目くん

教室に戻ると掃除はほとんど終わっていて、ごみ捨てを終えた私は暑い中お疲れ様と労ってもらえた。

教室、冷房効いてて涼しい。


「あと何人かは手を洗いに行って居ないけど、もう終わりだから帰って大丈夫だよ～！」

「あ、そうなんだ、ありがとう」


帰ってよしとのことなので、遠慮なくさっと帰ることにしよう。
さっきの男子生徒に会いでもしたら大変だ。


「逢沢さんいるー？？」


鞄を持ち上げた時、大きな声に呼ばれて驚く。
振り向くとごみ捨て場で出会った彼が教室の入口から私を呼んでいた。

彼の目が私を捉えるといきなり不機嫌そうな顔になったから、周りの子達も固まっている。


「あ、はい、私！今行きます」


教室の空気が悪くるのだけは耐えれん、ということで心では拒否しつつも足は男子生徒へと向かった。