未来~ミライ~
朝5時、私は寝苦しくなり、目が覚める。

今は夏真っ盛り。日差しが照りつける中、私はカーテンを開き、窓を開けてふうっ、と息を吸い込む。

「朝か…、学校まで時間あるな…。」

今年は受験生。だから1分たりとも勉強の時間を惜しんでいる時間はない。

私自身、頭が悪い訳では無いが、いいわけでもないので、少しでも勉強してお父さんに迷惑をかけたくない。そう思って決めた志望校だった。

顔を洗うためにリビングに行くと、お父さんがお母さんの仏壇のところで手を合わせていた。

私は今、お父さんと兄と3人で暮らしている。お父さんは会社勤めをしているが、兄は、今年就活しつつバイトで稼ぎ、何とか家族を養っていた。

「愛里か、おはよう。こんな朝早くに珍しいな」
「おはよう。少しでも楽させてあげないとね。私勉強してくるね」

うちの朝の会話はそんなもんだ。それでも悲しいなんて思わない。お母さんがいなくたって、家族で過ごせていることに感謝をしないといけない、そう心に思っているから。


顔を洗い自分の部屋に戻ると勉強道具を開いた。

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