風の贈り物

二日前、朝子は産婦人科にいた、体調が悪くつわりではと気になって町の産婦人科、カキツバタ医院に診察に来ていた、そして診察の結果は妊娠二ヶ月、妊娠を知った朝子は嬉しさが込み上げて来てくる。
カキツバタ医院から帰宅した朝子はすぐに彼氏の森川和彦に電話をかける、ここのところお互い忙しくて、久しぶりに会うことににる。
「和彦、話があるのだけど」
「朝子、久しぶりだな、あぁわかった、明日カフェルージュだな」
電話を切ると和彦、後ろにあるベットから裸の女性が声をかけてくる。
「朝子さん、和彦」
「明日、報告があるそうだ」
「和彦分かっているよね朝子さんに私の事、ちゃんと話てよ」
「わかってる」
そして、次の日 カフェルージュで久しぶりに友人達に会った朝子は妊娠の報告の後、友加里と楽しい会話に弾んでいた。
そして、一時間がすぎた後、カフェルージュの扉が開く、入ってきたのは和彦だ、友加里は立ちあがり朝子のそばに席を移す、それを見た和彦は朝子の前の席に座わる。
「久しぶりだな朝子」
「私も忙しくて、ごめんね」
「あぁ、いいよ」
優しそうな、表情で朝子を見つめる。
「朝子、若葉賞の結果は出たのか、今度の作品自信あった見たいだけど」
「今回も無理だった」
「そうか」
そばで、二人の話を聞いていた友加里は朝子を見つめ朝子が嬉しそうに話しているのを見て自分も嬉しさが込み上げてくる、しかしこの後、自分が懸念していたことが現実となって帰ってくる。
「朝子、報告てなんだい、俺も話したいことがあって」
「うん、報告があるだけど、和彦先にどうぞ」
和彦はこの時、嬉しそうにする朝子を見てこれから自分が話そうとしていたことに心が苦しくなる、目の前にいる彼女は自分が一目惚れしたときのショートカットでヘヤピンは変わっているが自分が誕生日にプレゼントしたピンクのビーズの付いたヘヤピンをしている。
苦しくなっていく心を押さえ話をきりだす。
「朝子、実は俺には別に彼女がいて、その人は今、俺の子を身ごもっている」
和彦は言葉を続け話をする
「朝子、ごめん別に彼女がいること、今まで何度も話そうとしたがなかなか言えなくて」
和彦の話を聞いた朝子は涙が流れ出していた、隣で話を聞いていた友加里は呆然とする。
そして、ここで和彦に近づき、和彦に張り手をしたのはしたのは布美のだった。
それを見た友加里が我に帰る。
「森川さん、私、噂でしていたけど何で早く話してくれなかったのよ」
隣で友人の友加里が話してるそばで朝子はさらに涙が止まらなくなってくる。
「和彦さん、朝子のお腹にも、あなたの子供がいるのよ」
話してを切り出したのは布美だった。
和彦はカフェルージュに来るまで、朝子が自分の子を身ごもっている事を想像もしなかった、事情を知った和彦の目にも涙が流れ出す。
しばらく時が止まった四人、和彦は頭を下げしばらくして帰っていく。
数日後、朝子は終業後、会社の屋上にいた。
「う~ん気持ちいい、カナディアンの風か」
朝子の住む町で初夏に吹く風はカナディアンの風と呼ばれていて昔からの言い伝えで幸せが来る風と呼ばれている。