君がいない世界で生きるために
再会
赤髪たちに会って翌日の夜に、新城からメールが届いた。
影山と連絡がつき、明日、つまり今日会えることになったらしい。
新城と赤髪たちは謝罪の言葉なしに仲直りをしたようだ。
というか、そう思いたい。
赤髪のあの言葉は、新城を許したということだろうから。
私は出かける準備をしながらそんなことを考えていた。
私が今から行くのは、隣の県だ。
影山は族を抜けると、引っ越していたらしい。
「あれ、玲ちゃん、どこか行くの?」
自室を出てリビングに行くと、佑真が母さんの肩もみをしていた。
日曜日というのに朝っぱらからうちに入り浸るとは、佑真は相当の暇人だな。
というか、幼馴染になにをさせているんだ、私の母親は。
昨日の時点で出かけることは伝えていたが、今なにも言わないということは、寝ているな。
「新城とちょっとな。佑真、嫌だったらそんなことしなくてもいいのだからな?」
「友香さんにはいつもお世話になってるから、そのお礼だよ」
佑真の笑顔には裏がない。
心からそう思っているらしい。
「そうか。じゃあ、行ってくる」
「あ、玲ちゃん!」
玄関に行くと、佑真に呼び止められた。