君がいない世界で生きるために
そう言われた影山は、フードを取った。
影山の前髪は目を隠している。
「俺は、みんなの大切な咲乃さんの護衛を任されて、嬉しかったんです。こんな俺でも、頼りにされることもあるんだって。だけど、あそこまで責められて……」
影山はそこまで言うと、黙り込んでしまった。
新城は影山の肩に手を置く。
「本当に、ごめんな……上に立つ者として、最低なことをした。許してもらえるとは思ってないが、これからはお前のことを信じるから。だから、あのときのことをもう一度話してもらえないか?」
私はまたつまらない友情だと言ってしまいそうになり、お茶に手を伸ばした。
そして影山は咲乃が死んだときのことを教えてくれた。
「あの日、俺はいつものように咲乃さんのあとをつけていた」
「待った」
始まってすぐだったが、私は止めずにはいられなかった。
「あとをつけていた?どういうことだ」
私の質問にどう説明するか迷ったのか、影山は新城を見た。
「俺が咲乃を送り届けてもよかったが、そうすると喧嘩に巻き込まれる可能性が高くなるだろ?だから誰かに送り届けてもらおうと思ったが、俺以外のやつと歩いているところを見られたくないと、咲乃が言った」
「誰に」