君がいない世界で生きるために
私は耳を疑ったが、佑真は顔を赤くしている。
どうやら新城が言っていることは本当らしい。
だが、正直そんなことはどうでもよかった。
そんなことよりも、気にすべき点はあった。
新城が話しているのに、佑真は黙り込んでいる。
「なにか言ってくれないか、佑真!」
抑えていたはずの感情がむき出しになってしまった。
それでも佑真はなにも言わない。
黙る時間が長いほど、認めているような気がしてならない。
「……あれは、事故だった……」
佑真の声は震えていた。
やはり、佑真はなにかを知っている。
いや、こう言っているのだから、影山が言っていた人影は、佑真だったのだろう。
本人の口から聞いているのに、信じたくない気持ちが強い。
「相田、ちゃんと説明してくれないか?」
「……新城さんが言う通り、僕は玲ちゃんが好きだ。だから、ずっと隣にいた咲乃ちゃんが嫌いだった」
その言葉に嘘はなかった。
幼馴染なのだから、それくらいわかる。
「でも、玲ちゃんのほうが咲乃ちゃんを大好きだったみたいで、我慢できた。だけど、咲乃ちゃんに恋人ができたって知って……それでも玲ちゃんと仲良くしていて……それは許せなかった」
「だから学校で咲乃に話したんだな。そこを見られて、咲乃はいじめられるようになった」
そうか、そういうことか……