君がいない世界で生きるために
友人
あれから一か月のときが流れた。
佑真は転校し、私は新しい女子の制服を着て学校に通うようになった。
ほぼ全員が驚くさまは普通に面白かった。
「和多瀬、昼食べようぜ」
それでも雨宮だけが変わらず接してくれた。
「和多瀬いるか?」
ちなみに、新城も変わっていない。
「よ、隼人」
ああ、変わったといえば上下関係がなくなったくらいか。
喧嘩は減り、弱い者をパシリのように扱うこともない。
共学になるという情報がいい方向に変化させたらしい。
「京也、ちょっと席外してくれ」
「……お前ら、付き合ってんの?」
純粋な質問だけに、思わず顔をしかめてしまった。
「冗談でもそういうことは言わないでくれるか」
「悪かったよ」
そう言いながらも席を外してくれる雨宮は、やはりいい奴らしい。
「咲乃の両親にちゃんと話してきた。悪かったって謝られた」
「そうか。よかったな」
誤解されたままなのはいかがなものかと思い、事実を話しに行くことを進めたが、やっと聞いてもらえたみたいだ。
「……ありがとな」
「どうした、気持ち悪い」
「お前と出会わなかったら、俺はあのまま無関係な人物を傷つけていた。それを止めてもらったからな」