モテてしまう俺
「みんな〜乗ってるかあ〜!!!」
「おぉ〜〜!!!!」
マイクごしにそう叫ぶのは、バンドのボーカルらしき人だった。
なんか、すごいロックってオーラがその人達から漂っていた。
「すげぇ〜な、うちの学校にこんなバンドいたんだな…」
隣に立っていた涼也にそう言って
「あぁ〜」
とただ頷いた。
「カッコイイ〜!!!」
近くで立っていた藤本達がそのボーカルに向かって叫んでいた。
「あっ、でも真地の方が数倍カッコイイからね」
一瞬後ろにいる俺に勘違いされない様に藤本が言って、後から前田と田中と中瀬が言った。
いや、そんなのはどーでもいいよ…。
目で訴えながら苦笑いをしていたら、涼也から痛い視線を感じた。
「な…なに…?」
「何も〜」
絶対に涼也怒ってますね。
なぜなら、俺に対する涼也の態度が冷たかったから。