モテてしまう俺




坂田は黙って俺を見ていた。


ちょっと気まずい
空気が流れてしまっていた。



「ごめんなさい…」


そんな空気に耐え切れなくなってしまった俺は、つい謝ってしまった。



「なんで?」


坂田が俺を見ながら言った。


てか、坂田に言われた
答えに、何も言えなくなりまた、黙り込んでしまった。



そんな俺を坂田は無視をして、またUFOキャッチャーに二百円玉を入れ、さっきのくまのぬいぐるみを取ろうとしていた。



そんな、坂田を俺は
ボーっと黙って見ていた。



「やった!」



つい、声をだしてしまい、口を手で押さえた。
坂田の操作するUFOは
ぬいぐるみをうまくキャッチしていた。


「あとちょっと…。」

ぬいぐるみを真剣な眼差しで見つめながら、呟く坂田は、今まで以上に可愛くて胸キュンしてしまっていた。



「あっ…。」


そうこう考えている内に、坂田が苦労して取ったぬいぐるみは落ちてしまっていた。



坂田がスカートのポケットの中から財布を取り出し悲しそうに覗いていた。



そんな坂田の様子からすると、どうやら財布の中は空らしいな。

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