地味女子。〜恋物語〜

《あ》
[あ]

数少ない友達の1人

水元だった。

《はよっ》
[...はよっ]
《あ、席ね。ちょいまち。》

水元とは、唯一無二の
小学校からの仲。

一番仲がいいからか
私の思っていることが通ずるらしい。

《楚和、喜べ。廊下側1列目、1番前だ。》
なんと、私の第2希望、いや基...
友達にいて欲しい席、第1位。
廊下側は、女の子にとって敵。
夏はクーラーの真下、冬は暖房から遠いという
軽装の女の子にとって、最も過ごしにくい場所。
ましてや、出入りの多い廊下側なんて...
人が溜まろうものなら、白い目で見られる。
特に男子から。それは避けたいはず・・・
そう、ここは、女の子にとっては地獄。
女の子の集まれない場所。

因みに、私たちは、男子の目も気にせず、
校則通りのロングスカートに、ボタンを上まできちんと占めた
制服の着こなし。夏は、下敷きがあれば余裕。
冬はタイツと温か肌着の3枚重ね、ブランケットがあれば
乗り切れるので問題なし。さらには
私たちは、集まっても二人。別に邪魔にならない。

ましてや、タムロはないのでご安心を。

つまり

私たちが過ごしやすい唯一の場所。楽園なのです。



< 10 / 200 >

この作品をシェア

pagetop