地味女子。〜恋物語〜

顔を、ばっと上げて
笑顔の水元をみて、さらにつづけた。

「ただし、一緒に。」

そう言って、私は
満面の笑みを見せた。


水元の表情は一変して
きょとんっとしていた。


そして、始まった。
水元への家庭教師。

勉強は、教えるほど出来ないが
数学だけは、まあまあ出来た。

とりあえず、
人任せでは終わらせませんと
言わんばかりに、みっちりと
教え込んだ。

気が付くと、さっきまでいた
受験生らはいなくなっていて
私と水元、図書委員の人だけに
なっていた。

閉館の時間を過ぎていたが、
あまりにも真剣な私たちに
気を遣ってか待っていてくれた。

なんとか、ドリルを終わらせ
図書委員の人に、
遅くまで残って頂いたことに
お礼と謝罪をした。

その方は、笑顔で
「気にしないで下さい、私も、丁度
読みたい本が終わったので。
頑張ってましたね。お疲れ様です。」

と優しく、笑顔で返してくれた。

私たちは、図書委員の
その方の対応に、感動し
帰り道、その話題で盛り上がっていた。

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