地味女子。〜恋物語〜
暗闇で、良く顔が見えないが
間違いなく彼だった。
門へと向かう200mほどの道に
差し掛かったタイミングだった。
彼は左の歩行者道路を、
私は右の歩行者道路を、歩いていた。
少し、距離はあったが良く見える。
彼は、部活帰りなのか
大きいな荷物を担いで、
同じユニフォームを着た男の子達
4,5人で歩いていた。
背の高い彼は、目立っていた。
笑う声も特徴的で、彼が笑うと
私まで、なんだか、にやけてしまう。
見ていることが気付かれないように
必死で、水元を見つめた。
水元も、途中
私の視線に気付いたが、
あえて、気が付かないふりをして
話をつづけてくれた。
(あー。悪い水元。私
うんうんっとさっきから言っているが
中々、話が入ってこない....)
と、水元との会話が
御座なりになっていることを
頭の中で反省しながら、彼の声に
必死で耳を傾けた。