地味女子。〜恋物語〜
卯野君は、50mほど離れた場所で急に
振り返りこちらを見た。
「そわ!....約束な...っ」
と、一言、そして、
離れていても分かるくらい
ニカッと笑って手を挙げた。
その瞬間は一瞬で、またくるりと
向きを変え、走って行ってしまった。
私は彼の背中を見ながら、
ときめいているのを感じた。
(呼び捨て...しかも名前....)
私は、初めて
“そわ そわか”という名前で
良かったと感じた。