地味女子。〜恋物語〜
次の日の朝。
お母さんの怒鳴り声で目が覚める。
めったにない遅刻だ。
実は昨日、ドキドキが続いて
中々眠れなかったのだ。
慌てて着替え、寝ぐせのまま
家を出た。
学校に着いたのは、チャイムのなる5分前。
(セーフ)
息を切らしながら、教室に入る。
いつも、騒がしい教室が、なんだか今日は、
やけに静か。
周りを見渡すと、A子ちゃんの周りに
5,6人の女子。
「大丈夫?」「悪いのアイツやって」
「何にもわかってない、A子ちゃんのこと」
聞こえてきた会話からして
すごく怒っている感じだ。
ゆっくりと、A子ちゃんのもとに近づき、
周りの子に話を聞く。
話によると、昨日、やはり
A子ちゃんがBくんに告白したらしい。
しかし、B君から返ってきた言葉は
「ごめん。おれ、好きなやつおる。」
と一言。
チョコを受け取らず
ダッシュで帰られたとのこと。
A子ちゃんは、朝からずっと泣いていて
顔を見せてくれない。
私は、近くにいてあげることくらいしかできなかった。