地味女子。〜恋物語〜
「え!余都先輩!覚えててくれたんすか!
嬉しいっす!...それから、奈多先輩!
俺のこと、覚えていますか??」

彼は、にこにこしながら、なっちゃんに問いかける。

「...あ!今思い出した!仮入部の時にいた
数少ない内の男の子だ!」

男の子に一一切の興味を示さない
なっちゃんも、物珍しさからか
覚えていたらしい。

「そうっすそうっす!いやー
嬉しいっす!ね!楚和先輩!」

そう言われ

「そうだねー」

と棒読みだったが
自然に返してしまった。

私は、ハッとし

「...てか、なんで入ってきてんの?!
てか、自然に座っているし!!」

よく見ると、何気に
私達のテーブルに座り、馴染んでいた。

「えー?ダメっすか?
俺、もうすぐ、部活の後輩になるんすけど。」

仔犬のような目で、私たちを見る。

今回2回目。
私達のテーブルが凍る。

「...え?そうなの。」

よっちゃんの笑顔がひきつっている。

「え?聞いてない感じっすか?
...ちょっと、楚和先輩」

かれは、にこにこしながら
こちらに視線を向けている。

もちろん、皆も。

私は、俯いた。




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