地味女子。〜恋物語〜
回想から現実へ
高校2年 開幕。
「....おい。楚和。...起きろ。」
カラダが揺れているのを感じた。
と同時に
目を瞑っていたことにも気が付き、
一瞬で目を見開いた。
(眠ってしまった…
ん?なんか、声がした?
それに、揺れていたのは...)
キョロキョロと周りを見渡し
自分の肩にそっと、
手が置かれてる事に気づく。
振り返ると、そこには、やっぱり
水元がいた。
「寝るなよ...もうすぐ、終わるぞ。」
あんなに声の大きい水元が、
いつになく小声で話すから
なんだか可笑しくて、
笑いそうになりながら
「...ごめん、ありがとう...。起きます。」
と小声で返し、にこりと微笑んだ。
夢の中で、昔の出来事が蘇っていた。
(……懐かしかったな )
そんなことを思っていると、
「えー。これで、始業式を終わります。
3年生から、クラスへ戻ってください。」
教頭先生の声が、体育館に響いた。
私の隣にいた3年生達が
パラパラと席を立ち始めた。
(私、高校生だ … もう
高校2年生になっちゃったんだ。)
そこでようやく、
自分の学年を理解した。