地味女子。〜恋物語〜

-ガラガラガラッ-

教室のドアを開けると、すぐに
水元と目が合った。

「おっそい」

と水元に言われた。

「いや、はっやい」

と、私は言い返した。

水元の隣の席が空いていたので
自然と座った。

「…良かったじゃん、あいつと一緒で」

と、小さな声で水元に言われてしまった。

こればかりは、照れて何も言えない。

少し、間を空けて

「う、うん …」

と返した。
それが、私の中の精一杯の返事だった。

あいつとは、彼のことだ。

彼の話になると、私は弱い。

(あー…恋ってなんだよ…)

と、私の頭の中は、この議題になると
迷走を繰り出す。

答えなんてない。それは分かってる。

そして、それは、今までにない感情。

それが一番厄介だ。近くにいるというだけで
心臓がドキドキからドッドドドドに変わって
あー、体に悪い。

だけど、その動悸みたいなのは、
なぜか、心地よい。

(…どっちだよ)

って感じだが、私にもよくわからない。 
だから、答えが欲しいと思ってしまう。
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