地味女子。〜恋物語〜
どこかで
聞いたことがある声だった。

私は、バッと顔を上げ
すぐに、後ろを振り返った。

そこには、
寂しげにグラウンドへ向かう
あの時の彼がいた。


「あっ!!」

私は、思わず声が出た。

「ごめん、ごめん…
なんか…いつもタイミング…」

彼は、そう言いかけると
吹き出すように笑い出した。

私も、そんな彼を見て
気まずさを紛らわすかのように
笑った。

2人でしばらく笑ったあと

「あ、あの…ありがとう…ござい
ま……ました……」

と、私は、彼にお礼を言った。

彼は、キョトンとした顔で、
こちらを見ていた。

(そ、そっか…意味…わからないよね。)

そう勘づいた私は、さっき
出来上がったばかりの作品の画像を出し
携帯を、彼に差し出した。


「え…」

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