好きのその先を
俯いてぎゅっと目を瞑り心の中で誤って相手の次の言葉を待つ。
「 あの、伝えられて良かったです! 」
目を開くと無理矢理笑顔を作っている彼が目に入り、自分が振ったのに見ていられなくなる。
男の子は一度お辞儀をしてこの場から去っていった。
ごめんね。ありがとう。
そう心の中で囁いて彼の背中をぼんやりと見つめるけどやっぱり罪悪感に侵される。
私も教室に戻ろう、授業始まっちゃう。
もう6月に入って完全夏服登校になった今中庭で居るから太陽が私の腕を容赦なく照りつける。