危ナイ隣人
うちのクラスで起こったことを話したり、反対に塚田くんのクラスで起こったことを話したり。

くるみの最近の推しイケメンの話とか、近藤の部活の話とか、たくさんのことを話しているうちにお鍋の中は空っぽになっていて、時刻は8時を回っていた。



「お腹いっぱいだね〜」


「ほんと。具材てんこ盛りだったもんね」


「そんなこと言っときながら、デザートは別腹とか言うんだろ?」


「そんなの当たり前じゃん」



使ったお箸や器を片付けながら、和気藹々(わきあいあい)とした空気は継続中。


同じクラスになって久しい近藤のキャラは全員がわかってるし、塚田くんもけっこう会話に参加してくれる。

表情筋はそんなに稼働しないしクールなのは相変わらずなんだけど、時折笑顔を見せてくれるし、真顔のまま冗談言ったりもする。


今日1日で、かなり打ち解けられたんじゃない?

チッキンラーメン失敗エピソードが効いたのかも……なんて言ったら、きっとすっごく嫌な顔するんだろうなー。



「洗い物代わるよ」



スポンジに洗剤を垂らしたところで、キッチンに姿を見せたのは塚田くん。

リビングでは片付けの終わったテーブルを囲んで、真帆達がテレビに釘付けになっている。



「すぐ終わるし、大丈夫だよ。向こうでテレビ見てて」


「いや、御山さんに任せっぱなしにするわけにはいかない。あいつら、テレビに夢中だし、手伝わせて」


「テレビって……あぁ、なるほど」
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