危ナイ隣人
「仕事でつけらんねぇし、つけんのも邪魔くせーしな。ま、若気の至りってヤツだ」


「ふぅん。塞がったりしないんだね」


「俺も気にしたことなかったけど……何年もつけてないのに残ってるってことは、もう塞がんねーだろうな」



へぇ、そういうもんなんだ。



「私も興味はあるけど、校則で禁止されてるからなー」


「俺が通ってた学校も禁止だったぞ」



ここで初めてナオくんが振り向く。

むかつくほど端正な顔が思いの外近くに来て、反射的に一歩引いた。


何きょとんとした顔して……って、え?



「校則違反なのにあけてたの?」


「……まぁ。高校であけてるやつなんか大抵そうだろ」


「わかんないよ。私の周りにいないもん」



真帆もくるみもあいてないし、他の友達もあいてない……と思う。

あんまり興味ないし、ジッと耳見たりもしないけどさ。



「へぇ。イマドキの高校生はマジメだな」


「今時っていうか、学校の特色じゃない?」



うちの学校は、レベルとしては真ん中よりちょっとだけ上くらい。

特別頭がいいわけじゃないけど、ヤンチャな生徒はほとんどいないし、校風としてはけっこうちゃんとしてると思う。


中学が同じだったミクやアイカのインスタを見てると、学校にピアスやネックレスなんかのアクセサリーをつけて行ってるみたいだけど。


お兄ちゃんが通ってた高校は県内でも有数の進学校だったし、私立だったから余計に校則が厳しかったような気がする。

私と同じく色素が薄かったお兄ちゃんは、頭髪検査でよく引っかかるって嘆いてたっけ。
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