危ナイ隣人
「準備って……」



ナオくんの体越しにテーブルを覗き込むと、既にご飯が並べられていた。


私が作って来た角煮と、解凍したご飯。お、ちゃんとお茶碗に移し替えてくれてる。

それから、きゅうりとハムをマヨネーズで和えたサラダ。これは……私が作ってなかったやつだ。



「すごい。ありがとう」


「おう。ほら、早くしないと先食べちまうぞ」


「あ、待ってよ!」





ナオくんと食べるご飯は、1人の時よりもずっと美味しい。


ナオくんと京香さん。3人で囲んだ食卓も、いつもとまた違った空気で楽しかった。



ご飯を食べ終わって、それこそ私がジュース、2人がお酒を飲んでいる時も。



「2人は、付き合ったりしてなかったんですか?」


「私らが? ないない! 世界に男がたった1人になったとしてもないね!」


「それはこっちのセリフだっつーの。俺が家に入れてる時点で、そういうんじゃないってわかるだろ」


「あ、そっか。そういう関係になった人は家に入れたくないんだっけ」



ケラケラ笑い転げる京香さんの手元には、茶色いお酒が入ったグラス。

ウイスキーってお酒を、ロックっていう飲み方で飲むのが好きらしい。

ボトル持参しているところから見ても、それがよくわかる。


ちなみにナオくんはというと、京香さんがナオくん用に買ってきたほ●よいが1本。

2本目を買ってきていない辺り、さすがよくわかっていらっしゃる。



「っていうか茜ちゃん。なんでそんなふうに思ったの?」



グラスを傾けながら、京香さんが問いかけてきた。


私は、近くのスーパーで買ってきたカル●スを呷ってから、少しだけ考える。
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