危ナイ隣人
まぁでも、A大かN大辺りの指定校枠狙ってるって前に言ってたし……今回ばかりはこの状況も仕方ないのかな。


なんて。いいんだけどね、べつに!

教えるのは嫌いじゃないし、理解してアウトプットしなきゃだから自分のためにもなるし。



「げっ、まじかよ。昴のスパルタがキツいから御山に頼んだのに!」


「そうやって逃げてるからいつまでも平均しかとれないんじゃないのか」


「グッサァー……。痛ぇよ親友、クリティカルヒットだわ」


「……口よりも手を動かせ」



溜め息を吐きつつ、空いていた近藤の隣に腰を下ろすあたり……優しいんだか厳しいんだか。


何はともあれ、戦力1人追加。

受験のことはまだ何も考えてないけど、順位がいいに越したことはないし……私も頑張ろっと。





壁一面のガラス窓の向こうが完全に濃藍に塗り変わった頃、床に置いた鞄に投げていたスマホの画面が明るくなる。


通知を確認すると、インスタだった。誰々が初めての投稿をしました〜ってやつ。


後で忘れてなかったらチェックしよ。

そう思ってスマホを戻そうとした時、10分くらい前に別の通知が来ていたことに気付く。



【もんじゃ買いたくないか】



アプリはLI●E。

語尾にハテナもない、中途半端な文面。

こんなの送ってくるのは、1人しかいない。



【なんでいきなり?】
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