危ナイ隣人
既読はすぐについた。



【夕方のニュースで特集やってるの見て食べたくなった】


【映像見ちゃったパターンね】



わざわざ私に言ってきたってことは、一緒に食べようってことなんだろうけど……。



【1人でもんじゃはきつい。一緒に食べに行こう】



あ、やっぱり。


ナオくんと外でご飯食べたことはない。

いつも家だし、新鮮でちょっといいかもとは思うけど。



【私まだ学校だよ】



テーブルの向かい側では、近藤がワークブックと睨めっこしている。

眉間に皺寄ってるし。


どうやら例文の訳に戸惑っているみたいだ。



【遅いな。もう授業終わってるだろ?】


【とっくに終わってるよー。今はみんなで勉強会中】



時刻は6時前。

今から片付けて歩いて帰っても、帰宅は6時半を過ぎるだろう。


どうしよう、と思っていたところに、またメッセージが入る。



【車で迎えに行く。終わる頃連絡して】



届いたメッセージを二度見した。

それでも足りなくて、目を擦ったけど、やっぱり幻じゃなかった。


なんと! あのナオくんが迎えにきてくれるなんて。

珍しく優しい、なんて言ったら怒られるだろうけど……珍しく優しい!



「どうしたの茜、ニヤニヤして」


「えっ」



思わず緩んでいたらしい口元を、とっさに隠す。


と、くるみが目敏く切り込んできた。



「なになに、何があったの?」
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