危ナイ隣人
直也が高校1年生の時、私達は3年生。


私と圭太は、高校で、同じ部活に入ってた。



……うん、そうね。

少しだけ、私のことも聞いてもらおうかしら。



私が圭太と初めて会ったのは、高校に入学してすぐの頃。

サッカー部の体験入部で、同じく新入生の中に一際目立った子がいたから、よく覚えてる。

背が高かったし、目を引く容姿だったってのもあるけど、何より楽しそうにサッカーをする人だなぁって。

本当にサッカーが好きなんだなぁって。


それが圭太に抱いた第一印象。



これは茜ちゃんが一番よくわかってると思うけど、圭太ってすっごく優しかったじゃない?


おまけに顔までいいから、入学してすぐに話題になってたみたいなんだよね。

私はクラスが離れてたし、興味もなかったから知らなかったけど。


そんなやつがサッカー部に入るっつーもんだから、マネージャーを希望する子が溢れ返っちゃってさ。

噂じゃ、新入生だけじゃなく先輩まで入部届け出したとかって。


つくづく、愛想のいいイケメンって罪よね。



入部届を出した子のほとんどは、サッカーのルールもろくに知らないでさ。

あまりの多さに先輩マネージャーがふるいにかけて、私ともう1人、別の女の子が選ばれたの。
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