危ナイ隣人
いつだってサッカーには本気で、自分に厳しくて、不義理なことや曲がったことが嫌いで。

困ってる人をほっとけなくて、たまにびっくりするくらいお人好しで。


そんな圭太から、いつの間にか、目が離せなくなってた。




3年生になって、初めて圭太と同じクラスになった。


せっかくだし最後くらい同じだといいね、なんて話してた直後だったから、本当に嬉しかったなぁ……。



知ってると思うけど、私達がいた学校は結構勉強に力を入れた学校でね。

一応本人の自由ってことになってるけど、受験にシフトするために、部活も早い段階で引退する人がほとんどだった。



他の選手はもちろん、キャプテンだった圭太も、一学期の途中でサッカー部を引退したわ。


うちの部はみんな仲がよかったし、その中でも特に圭太は慕われてたから、後輩の悲しみようったら相当なものだったわよ。


あんなに一斉に男どもが涙するとこ見るの、あの時が初めてだったもん。



今思い返してみても、つくづく天性の人たらしだったわよねー、あいつ。





ほぼ毎日学校で夏期講習を受けているうちに夏休みが終わって、直也に初めて会ったのは、2学期に入ってからだった。



放課後、解放された食堂で圭太と勉強したその帰り道に、コンビニの前にたむろするガラの悪い男たちを見かけたの。
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