危ナイ隣人
『タバコ吸ってるけど、あれ、どう見ても高校生だよね? 制服混じってるし』


『ん? ……あぁ、そうだな』



私が声を潜めて言うと、圭太は小さく息を吐いて驚くべきことを口にした。



『ていうか、うちの学校の生徒もいるなぁ』



さほど興味もなさそうに、とんでもないことを圭太が言うもんだから、私、びっくりしちゃって。



『まさか。うちの高校の制服着たやつなんていないじゃん』


『あの黒いTシャツ着たの。あれ、うちの1年だよ』



その集団の中に、黒いTシャツを着ていたのは1人だった。


テキトー言うなって、思わず怒りそうになったわ。


慣れた仕草でくゆらすタバコ、耳に光るピアス。

どう見たって校則の厳しいうちの学校の生徒には見えなかったから。



『まさか。そんなわけないでしょ』


『いや、1年の真木で間違いないよ。一学期、1年の中で成績トップだったやつ』


『はぁ!?』



いよいよ意味がわかんなかった。


学年トップの秀才が、不良グループの中にいるって言うんだよ?
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