危ナイ隣人
『だって年下だもん。敬語で話す必要ないだろ』


『そういう話をしてるんじゃないの!』



なんで伝わんないかなぁ……!


私が思わず声を荒げても、圭太は動じることなく涼しい顔を崩さない。



『ごめんて。でも、噛み付いてこなかったろ?』


『それは結果論でしょ』



あんなガラの悪いやつらとつるんでて、本人だって未成年のくせにタバコを吸ってる。

怒らせたら何されるかわかんないのに、なんで圭太は絡みに行ったりしたのか。


しかも、コンビニの前で見かけた時は全然興味も示さなかったのに。



『まあね。拳飛んできたらどうすっかなーとか思ってたけど、殴られなくてよかったわ』


『何を呑気に……』


『はは、悪い悪い。なーんか気になってさ』



気になるって何が。


聞いてみたけど、圭太はそれ以上何も言わなかったわ。



あの言葉の真意はわからないままだけど……もしかしたら圭太は、この時既に見抜いてたのかもしれない。


直也が抱える心の闇を……。





ってゴメン、なんか必要以上にシリアスな空気醸し出そうとしちゃったわ。


慣れないことするもんじゃないわね、心底恥ずかしいわ今。
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