危ナイ隣人
いつでも会えるだろ、そう言って圭太は笑ったわ。
『そうだ。京香、デジカメ持ってたよな?』
『うん、持ってるよ』
『せっかくだし、写真撮ってもらおうぜ』
『は? やだよ、俺写真きら──』
『おーい、馬渕!』
直也の制止なんて聞かず、圭太が少し離れたところにいたサッカー部の後輩を呼び寄せた。
『じゃあ撮りまーす』
液晶越しに声がかかり、私の肩に腕が回された。
左の方にずしっとのしかかった重さは圭太のもので、反対側では直也が眉根を寄せている。
フラッシュが光った瞬間、すぐ傍で弾けるような笑顔が咲いた気配がした。
春になって、私は大学に通うために一人暮らしを始めたけど、圭太はギリギリ通える距離だったから、実家を出なかったよね。
近くにいることが当たり前じゃなくなってからも、連絡はとってたの。
新しいバイトが決まっただとか、課題が多すぎて大変だとか、そういう、他愛のないやりとりだったけど。
圭太の話には、時々直也が出てきたわ。
ガラの悪いやつらとは距離を置くようになって、毎日心配になるくらい勉強を頑張ってるって。
忙しくてたまにしか会ってなかったみたいだけど、卒業してからも2人は2人のままだった。
『そうだ。京香、デジカメ持ってたよな?』
『うん、持ってるよ』
『せっかくだし、写真撮ってもらおうぜ』
『は? やだよ、俺写真きら──』
『おーい、馬渕!』
直也の制止なんて聞かず、圭太が少し離れたところにいたサッカー部の後輩を呼び寄せた。
『じゃあ撮りまーす』
液晶越しに声がかかり、私の肩に腕が回された。
左の方にずしっとのしかかった重さは圭太のもので、反対側では直也が眉根を寄せている。
フラッシュが光った瞬間、すぐ傍で弾けるような笑顔が咲いた気配がした。
春になって、私は大学に通うために一人暮らしを始めたけど、圭太はギリギリ通える距離だったから、実家を出なかったよね。
近くにいることが当たり前じゃなくなってからも、連絡はとってたの。
新しいバイトが決まっただとか、課題が多すぎて大変だとか、そういう、他愛のないやりとりだったけど。
圭太の話には、時々直也が出てきたわ。
ガラの悪いやつらとは距離を置くようになって、毎日心配になるくらい勉強を頑張ってるって。
忙しくてたまにしか会ってなかったみたいだけど、卒業してからも2人は2人のままだった。