危ナイ隣人
冷タイ背中
京香さんからお兄ちゃん達の話を聞いたけれど、ナオくんとはずっと会えないでいる。
彼に会ったとして、お兄ちゃんの妹である自分が何を言えばいいのかもわからないまま、気が付けば6月になっていた。
「御山先輩! 入学してから気になって──」
「無理です」
「えっ……! 御山先輩!?」
顔を見たこともなければ聞いたこともない声に呼び止められるのを無視して、スタスタ廊下を歩く。
と、視界の端にひょっこりと姿を表したのは塚田くんだった。
「1年生だけどタフだね、彼。呼び出しに応じないからって、待ち伏せするなんて」
「ちょっと塚田くん。他人事だからって面白がってるでしょ」
「はは、バレた?」
唇の端っこを持ち上げて不敵に笑う塚田くんと、肩を並べて歩く。
次は移動教室だから、行き先は同じだ。
「恋坂さんは?」
「忘れ物したから彼氏のとこに借りに行ってくるって。後から来るよ」
新しいクラスで仲良くなった女の子の所在を聞かれ、答えた。
塚田くんはふうんと軽く返事をして、2人で視聴覚室への歩みを進める。
「進路についての追加説明だっけ?」
「そうそう。今更感あるよね」
彼に会ったとして、お兄ちゃんの妹である自分が何を言えばいいのかもわからないまま、気が付けば6月になっていた。
「御山先輩! 入学してから気になって──」
「無理です」
「えっ……! 御山先輩!?」
顔を見たこともなければ聞いたこともない声に呼び止められるのを無視して、スタスタ廊下を歩く。
と、視界の端にひょっこりと姿を表したのは塚田くんだった。
「1年生だけどタフだね、彼。呼び出しに応じないからって、待ち伏せするなんて」
「ちょっと塚田くん。他人事だからって面白がってるでしょ」
「はは、バレた?」
唇の端っこを持ち上げて不敵に笑う塚田くんと、肩を並べて歩く。
次は移動教室だから、行き先は同じだ。
「恋坂さんは?」
「忘れ物したから彼氏のとこに借りに行ってくるって。後から来るよ」
新しいクラスで仲良くなった女の子の所在を聞かれ、答えた。
塚田くんはふうんと軽く返事をして、2人で視聴覚室への歩みを進める。
「進路についての追加説明だっけ?」
「そうそう。今更感あるよね」